相談事例10:預託会員制のゴルフ会員権は相続の対象となるか?

相談事例10 預託会員制のゴルフ会員権は相続の対象となるか?(豊中市在住の方)

 ゴルフ会員権が相続の対象となるか否かの問題は、①相続人が被相続人と同様にゴルフクラブの会員たる資格を取得するかという問題と、②相続人が会員契約上の地位、すなわち理事会の入会承認を得ること等の会則上の条件を具備することで会員となることのできる地位を相続により取得できるかという問題に分けられます。

 

 ①については、ゴルフクラブの性格が会員相互の親睦を目的とするものであり、会員個々の人格や年齢等が重視されることなどから、本来的に一身専属的な性質を有するものであり、相続の対象とはならないと考えられます。

 

 ②については、会則規定の内容により相続の対象となるかどうかが決まります。すなわち、会則規定によって、会員の死亡により契約関係が終了する旨定められている場合には相続の対象となりませんが、会則規定で相続人による会員契約上の地位の承継を認めている場合には、相続の対象となります。

 

 なお、最高裁は、「会則規定により、その相続性を何ら定めていない場合でも、会則規定により会員権の譲渡を認めている場合には、正会員としての地位の変動と言う結果が譲渡と相続で差異がないこと、ゴルフクラブの親睦団体としての性格の保持は理事会の承認を要件とすることにより実現可能であること等の理由から、ゴルフ会員権が相続の対象となる。」と判断しています。

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら