相談事例15:過去に遺言書を作成したが、その内容を変更したい。どうすればよいか?

相談事例15 過去に遺言書を作成したが、その内容を変更したい。どうすればよいか? (豊中市在住の方)

 遺言者は過去に作成した遺言を自由に撤回することができます。

 撤回の方法としては、①前の遺言を撤回するという内容の遺言書を作成する方法(民法1022条)、②前の遺言に内容が抵触する遺言書を作成する方法(民法1023条1項)、③遺言の内容と抵触する生前処分を行う方法(民法1023条2項)、④前の遺言を物理的に破棄する方法(民法1024条前段)、⑤前の遺言で遺贈するとした目的物を破棄する方法(民法1024条後段)があります。

②の方法で前の遺言が撤回されるのは、遺言者の最終意思を尊重するという建前から、日時を異にした複数の遺言がある場合は、死亡に近い後の遺言が優先されると考えられているためです。

過去に作成した遺言書の内容を変更するということであれば、上記①~⑤のどの方法をとるにしても、過去の遺言書の内容と異なる遺言書を新たに作成する必要がありますので、②の方法が最も簡便だといえます。

ただし、②については、前の遺言と後の遺言が抵触する範囲において、前の遺言を撤回したものとみなされることになるので、新たに遺言書を作成しても、必ずしも過去の遺言書の内容のすべてが撤回されるわけではないことに注意する必要があります。

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら