相談事例29:母が亡くなり、長女である姉と次女である自分が相続人になった。母の遺産はほとんどなかったが、母は亡くなる20年以上前に所有不動産を姉に生前贈与していた。この場合、姉に対し、当該不動産の贈与が特別受益に該当するとして、遺留分減殺請求をすることができるか?

相談事例29:母が亡くなり、長女である姉と次女である自分が相続人になった。母の遺産はほとんどなかったが、母は亡くなる20年以上前に所有不動産を姉に生前贈与していた。この場合、姉に対し、当該不動産の贈与が特別受益に該当するとして、遺留分減殺請求をすることができるか?(豊中市在住の方)

 特別受益に該当する被相続人の生前贈与により共同相続人の遺留分が侵害された場合、自己の遺留分を侵害された相続人は生前贈与を受けた相続人に対し、遺留分減殺請求をすることができるのが原則です(民法1044条、903条)。 

 

 ただし、最高裁は「右贈与が相続開始より相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化も考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情」がある場合には、生前贈与は遺留分減殺の対象とならないと判断しているので、注意が必要です。

 

 本件では、遺産がほとんどないということですので、長女に対する不動産の生前贈与が特別受益に該当し、次女の遺留分を侵害しているとして、遺留分減殺請求をすることができる可能性は十分にあります。

 

 ただし、上記贈与は20年以上前になされたものですので、贈与後の事情の変化等によっては、最高裁判例のいう「特段の事情」があるとして、遺留分減殺請求が認められない可能性もあります。
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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