相談事例43 母方の祖父が亡くなった。私(A)は母の一人息子だが、母方の祖父母の養子(普通養子)にもなっている。母は既に亡くなっているが、母方の祖母(B)は存命であり、母には弟(C)もいる。この場合、祖父の相続に関する私の相続分はどうなるか?

相談事例43 母方の祖父が亡くなった。私(A)は母の一人息子だが、母方の祖父母の養子(普通養子)にもなっている。母は既に亡くなっているが、母方の祖母(B)は存命であり、母には弟(C)もいる。この場合、祖父の相続に関する私の相続分はどうなるか?(池田市在住の方)

被相続人(祖父)の養子も被相続人の子である以上、相続人となります。

また、被相続人(祖父)が亡くなる前に、被相続人の子(母)が既に死亡している場合は、
死亡した相続人の子(孫=私)が相続人となります(代襲相続)
 
したがって、本件で相続人となるのは、被相続人(祖父)の妻である祖母B、祖父の実子であるC、養子でもあり実母の代襲相続人でもある私Aの3名です
 
そうすると、Aは養子としての相続資格と実母の代襲相続人としての相続資格を併せ持つことになります。
このような場合の相続分について、あくまで代襲相続は例外的に認められるものであるとして、養子としての相続分のみを認める見解もあります。

しかし、実務・学説上は、いずれか一方の相続資格を否定する根拠は乏しいとして、養子としての相続分と代襲相続人としての相続分の合算を認めるのが一般的です。
また、法定相続分は、妻が1/2、子が1/2です。

本件では、祖父に実子(母・母弟C)・養子(私A)が合計3人います。
Aの養子としての相続分は1/6(1/2×1/3)、代襲相続人としての相続分は1/6(1/2×1/3)です。
したがって、Aの祖父の相続に関する相続分は、これを合算した1/3になります。
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら