相談事例47 遺産の中に借地上の建物がある。相続人は当該建物と一緒に借地権も取得できるか?

相談事例47 遺産の中に借地上の建物がある。相続人は当該建物と一緒に借地権も取得できるか?(箕面市在住の方)

契約上の地位は、被相続人に属した一切の権利義務(民法896条本文)に該当しますので、
相続の対象となるのが原則です。
ただし、契約上の地位が一身専属的な地位である場合は、相続の対象となりません(民法896条ただし書)。
賃借権(賃貸借契約に基づく借主の地位)は、財産上の権利であり、一身専属性もありません。
そのため、賃借権は相続の対象となります。
なお、法律上、賃借権を他人に譲渡する場合は、原則として賃貸人の承諾が必要とされていますが(民法612条1項)、賃借権を相続により承継する場合、賃貸人の承諾は必要ありません。

 

本件で問題となっている借地権も賃借権の一つですので、相続人は、遺産である建物と一緒に借地権を取得することができます
ただし、相続人が複数いる場合、遺産分割が完了するまでは、借地権は共同相続人間の準共有(共同で保有している状態)になります
そのため、一人の相続人が借地権(と建物)を取得するには、遺産分割を成立させる必要があります
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら