相談事例50 母が亡くなり、私(姉)と弟が相続人となった。母は全ての遺産を私(姉)に相続させる内容の遺言を残していたため、先日、弟から遺留分減殺請求された。弟は母の生前に不動産の贈与を受けているが、弟の遺留分減殺請求は認められるか?

相談事例50 母が亡くなり、私(姉)と弟が相続人となった。母は全ての遺産を私(姉)に相続させる内容の遺言を残していたため、先日、弟から遺留分減殺請求された。弟は母の生前に不動産の贈与を受けているが、弟の遺留分減殺請求は認められるか?(吹田市在住の方)

遺留分は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額に特別受益の額を加えたもの(みなし相続財産)を基準として計算されます。
特別受益を受けた相続人の受け取るべき具体的遺留分は、みなし相続財産を基準に算定した遺留分(一応の遺留分)の額から当該特別受益の価額を控除した残額になります(民法1044条、903条1項)。

 

そのため、特別受益の価額が、みなし相続財産を基準に算定された一応の遺留分の価額と等しいか、又はこれを超えるときは、特別受益を受けた相続人は遺留分を受け取ることができません(民法1044条、903条2項)。

 

本件の場合、相続人は亡くなった母親の子であるあなた(姉)と弟の2名ですので、弟の一応の遺留分の額は、みなし相続財産の4分の1(弟の法定相続分1/2×1/2)になります。
また、不動産の生前贈与は通常特別受益に当たります。

 

そのため、弟が母親から生前贈与を受けた不動産の価額が、みなし相続財産の4分の1未満であれば弟の遺留分減殺請求は認められますが、みなし相続財産の4分の1以上であれば弟の遺留分減殺請求は認められません
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら