相談事例67(豊中市在住の方からのご相談)母が亡くなった。母は不動産を兄(長男)に遺贈する遺言を残していたが、母が亡くなる前に兄(長男)は死亡していた。父も母が亡くなる前に死亡しており、母の子どもは兄(長男)と私(二男)だけであるが、兄(長男)には息子(孫)が1人いる。この場合、母が兄(長男)に遺贈するとしていた不動産は兄(長男)の息子(孫)が取得することになるか?

相談事例67(豊中市在住の方からのご相談)母が亡くなった。母は不動産を兄(長男)に遺贈する遺言を残していたが、母が亡くなる前に兄(長男)は死亡していた。父も母が亡くなる前に死亡しており、母の子どもは兄(長男)と私(二男)だけであるが、兄(長男)には息子(孫)が1人いる。この場合、母が兄(長男)に遺贈するとしていた不動産は兄(長男)の息子(孫)が取得することになるか?

遺言者の死亡以前に受遺者(遺贈を受けた者)が死亡したときは、遺贈は効力を生じません(民法994条1項)。
 ただし、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合に、他の者に遺贈する内容が付記されていれば、そのような定めも有効です
 本件では、遺言者である母親の死亡前に長男が死亡しており、遺贈の効力が生じませんので長男の息子(孫)が不動産を当然に取得することにはなりません。
ただし、母親の遺言に「遺言者(母親)が死亡する前に受遺者(長男)が死亡した場合には、長男の息子(孫)が不動産を取得する」旨が付記されていれば、長男の息子(孫)が当該不動産を取得することになります。
なお、本件の場合、母親の死亡前に長男が死亡していますので、長男の息子(孫)は代襲相続人となります。
そのため、母親の遺言に「遺言者(母親)が死亡する前に受遺者(長男)が死亡した場合には、長男の息子(孫)が不動産を取得する」旨が付記されていない場合であっても、あなた(二男)と長男の息子(孫)で遺産分割協議を行い、不動産を長男の息子(孫)に取得させることも可能です。
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら